2014年1月5日、新春早々に神戸のデザインクリエイティブセンターKIITOホールに展示されている巨大絵画「雪に包まれる被災地」の前で、チェロアンサンブルの演奏を行ないました。リーダーを務められた国際チェロアンサンブル協会顧問、松本巧さんからの速報でお知らせします。

巨大絵画「雪に包まれる被災地」を前に、
チェロアンサンブルを演奏。

「東北と神戸を繋ぐチェロアンサンブル」を終えて。

巨大絵画「雪に包まれた被災地」を前に白沢史子理事長からご挨拶をいただきました。

 加川広重氏の2枚の被災地を描いた巨大絵画を前にしての50人のチェロアンサンブルは、参加者全員に「1000人のチェロ・コンサート」のそれとスケールこそ違うものの、まったく同質の感動と満足を与えました。
 その感動の詳細は、以下に続く参加者の方々からの感想文と重複しますので割愛します。企画者として一筆したためました。
 
 主催者の島田誠氏(1000人のチェロ・コンサートの毎回実行委員を務めてくださっている)からお話をいただいた時に理事会の決議もしないで個人的にでもお受けするつもりで、即座に「やります」とお返事しました。
 募集を始める直前に理事会に諮り、NPO国際チェロアンサンブル協会の主催イベントとしての位置づけとなり、参加資格もNPO会員に限ることとなりました。
 
 60人を超える参加申し込みをいただきましたが、2013年12月8日(日)に一度しかない練習絶対参加を条件にしたことや、インフルエンザなどで10人ほどの辞退者が出て、結局50名での演奏となりました。
 
 選曲は比較的アンサンブとして完成しやすいもの、イベント趣旨を考慮して決定しました。トリにダビドフの「讃歌」を当てたのは、ロストロポーヴィチ氏との2005年の「第3回1000人のチェロ・コンサート」のそれを決定する際のバトルを思い出し、同氏への畏敬と思い出から、同氏がチェロアンサンブルの最後はピアニッシモでと主張したのに従いました。
 
 もっとも気を配ったのはアンサンブルの品質でした。
 過去の経験からこの程度の規模では高音域パートが極端に少なく、バランスも悪いので、5名のプロの方々のお力をお借りすることにしました。もちろん、原則「1000人のチェロ・コンサート」経験者の方に依頼しました。
 
 その方々のお蔭と10年前に横浜での「日韓友好親善チェロ・コンサート」を指揮してくださった山本祐ノ介氏の指揮者としての格段の演奏者能力引き出しのテクニックに支えられ、今までに経験した中でも最高かと思う音楽的品質の高いアンサンブルを奏でることができました。
 
 このことが参加チェリストの方々の感動と満足をより大きくしたものと思います。
 「第1回1000人のチェロ・コンサート」の時、ヴァインツハイマー氏がポツダムでは3回の練習なのに対して、僕は4回の公式練習参加を義務付けました。パート分けも練習中に胸に氏名札を付けていただき、双眼鏡で覗いて弾いている参加者の習熟度をチェックまでして決定しました。大勢だからと妥協しないで、極力アンサンブルの品質にこだわったことで、「1000人のチェロ・コンサート」は過去4回も継続できたものと確信します。
 
 「第5回1000人のチェロ・コンサート」仙台に向けて、参加者数の確保とともに高音域を美しく奏でることのできる参加者に一人でも多く集まっていただきたいものと願うものです。
 
 50人の参加者の皆様、2度も神戸まで足を運んでくださり、ありがとうございました。
NPO国際チェロアンサンブル協会 顧問 松本巧
 

 演奏前に、絵の作者の加川さんから、絵の説明がありましたがあの絵を、事前にネットで見たとき、どこかで見た風景と思いましたら石巻の工場だとの説明があり、震災直後に医療チームの一員として石巻の避難所体育館に行ったとき、介入前、現地の方に海岸沿いを車で、案内していただき、あの工場を自分の目で見ていたのだと言う事に気付きました。マスクをしていても、息苦しく感じる魚の腐った匂いと、トラックやブルドーザーの無機質なエンジン音、色のない瓦礫…。自衛隊と警察以外の、人のいない、がら~んとした風景…。

 一方、被災者の方で溢れ返った避難所体育館。布団の中から、ムカデが出てきたり、寝ている顔の上にアマガエルが飛んでくるような所で、地鳴りや余震、停電に怯えながら、粗末な食料と寒さに耐えて、被災者の方とともに過ごした日々が、演奏しながら走馬灯のように頭の中に浮かんで来て、途中、演奏どころではない感じになりそうでしたが、ふと、客席の後ろを見上げると、陸前高田の絵が、黄金に輝いていて、元気づけられました。絵に、自分が元気付けられたように、自分たちの演奏で、来年、仙台の方々を「1000人のチェロ・コンサート」で元気づけられたら、いいなと思います。

 ありがとうございました。初めて参加させていただきましたがチェロ50台の響きは想像以上でした。練習よりゲネプロ、ゲネプロより本番。と音がどんどん変化していくのが新鮮でした。 指揮の山本先生が『賛歌』のときに、「ここで地鳴りのように…」とおっしゃいましたが、音のうねりが体に響いてくるのが心地よかったです。

 私はといえば譜面を追うのが精いっぱいでしたが、楽しくて気持ちよくて素晴らしい時間を皆さんとともに過ごせた幸せを感じております。こんな機会を与えていただいて本当に感謝しております。同じメンバーで同じ演奏は二度とできないのもわかっていますが、練習を重ねて、またいつの日かご一緒させていただきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 末筆ですが、お世話いただいた松本様はじめ協会の皆様、本当にありがとうございました。打ち上げのビールがこの上なく美味しかったことをお伝えしておきます。

 東北と神戸を繋ぐチェロアンサンブル2014に参加してまず、このような会に私のようなチェロを弾きだして日の浅い者が、同じ舞台に立てたということに感謝しています。そしていろいろこの会を開催するにあたってボランティアで動いてくださった皆様に感謝しています。

 オケの仲間に相談することもなく一人申し込み、不安でいっぱいの思いをしながら練習会場に足を向けたことが、帰りにはチェロをしていて良かった、参加して良かったという思いで練習を終えることができました。そして、練習会場でのあの音の響きの中に、また自分がいられるという楽しみに変わって5日を迎えることができました。指揮の山本祐ノ介様とプロでチェロを弾いていらっしゃる方、プロの方と同じくらい長年弾いていらっしゃる方たちがリードしてくださるから、あの響きになっていることはあきらかなのですが、自分の音があの中に一緒に響いていると思う感動はアンサンブルだからこそ味わえる醍醐味ですね。

 5日の本番、みなさんの意気込みも音に感じられ、周りの音と指揮者の指示に全神経集中させることで私は必死でした。聴いてくださった皆様に、どんな音として届いているのかなと少し思いました。一緒に参加させてくださってありがとうございました。日頃から、東北の被災地に何かの形でボランティアができたらと思っていました。自分の好きな音楽で、しかも1000人のチェリストとの演奏で思いを伝えることができたら最高ですね。オケのチェロ仲間、一緒にレッスンしてもらっている友だちみんなそろって、ぜひ仙台に集まりたいと思います。

 年の始めに素敵な体験をさせていただきありがとうございました! 加山さまの2枚の絵画にはさまれる形で生まれた空間に、チェロの音色が合わさり響くさまは、演奏している私自身が感動して陶酔する時間となりました。たくさんの方の思いと時間が重なることで生まれる力を感じつつ、私自身がチェロを弾き始めるきっかけが震災であったことも含めて、ふたつの大きな震災に思いをはせました。

 私は、技術もありませんが、山本先生、プロの先生、諸先輩方のお力をお借りして、たくさんのお客様にも聴いていただき、良い演奏ができたと感動しました。一回の練習でも、指揮者と、演奏者の思いが一つになり、音楽に表れたのだと思います。加川さんの二つの絵画の前で、被災地に向けての思いが。いつまでも、震災を風化させず、何らかの形で、思いを届かせて行きたいと思っております。一人では、とても微力ですが、集まれば、強い力になれると信じています。

鎮魂の名演奏にまた感動

 まず、巨大絵画の臨場感に接して、私の胸をよぎったのは、チェロ仲間15名で大震災後の現地を訪れた第一回のコンサート・キャラバン(2011年11月27・28日)のことでした。特に二日目に、陸前高田でワゴン車から瓦礫の地に降り立ったとき、180度の視野に飛び込んできた被災地の風景は、「奇跡の一本松」と生々しい現状でした。
 そのときのことを巨大絵画の作者・加川広重さんと演奏会場でお話しさせていただき、共通の感動を分かち合えました。私は、当時「奇跡の一本松」近くに残っていた枯れ木の枝に、黄色い布切れが引っかかっていたのを、大津波で「天女が羽衣を残して逝ってしまった」のではないか?と思い、ポケットから「はがき」を取り出し、急いでスケッチをして帰りました。あれから二年経った神戸での演奏は、鎮魂と癒しの響きを山本祐之助先生が見事に導いてくださった名演奏だったと感動しました。

 ゲネプロの時はどうなるのか心配したけど、本番で発音が揃っていて、皆はできる子じゃったんだとノリノリで演奏できました。

 1月5日の東北と神戸を繋ぐチェロアンサンブルに参加して自分の中で東日本大震災について振り返る時間を作れたのが良かったです。少しでも被災地の人々の心に寄り添うことができたらと思い、全身全霊でチェロを演奏しました。また、このような機会があれば、素敵なチェロアンサンブル仲間とともに思いを込めて演奏したいと思います。

加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸2014
「東北と神戸をつなぐチェロアンサンブル」に参加して

 久しぶりにお会いするチェロの仲間、東北でご一緒した方々、1000チェロで顔見知りの方々、そしていつもの仲間たちとともに、あの時だけの、素晴らしいアンサンブルができたこと、とても嬉しいです。みなさんの美しい音色に引っ張っていただき、うっとりと音を楽しみながら弾かせていただきました。そして山本先生には12月8日の練習から、楽しく豊かにご指導いただき、なんとか本番でベストの演奏ができたように思います。

 今回、所属する大阪チェロアンサンブル・milleでの定期演奏会に、今まで聴きに来る機会がなかった神戸の友人2人を誘い、合計10名が聴きに来てくれました。出演者の打ち上げの場であるミュンヘン神戸大使館の3階で新年会を開いてくれ、打ち上げの合間に顔を出すと、演奏の感想をいろいろと聞かせてくれました。

「曲のメロディーによって、いろいろと絵が動いて見えた」とか「すごくよかった~~~涙が出た~」と言いながらジワリと瞳を潤ませたり。チェロの音っていいでしょう!?と、まるで自分が会場に美しい音色を響かせたかのように得意げに言うと、みんなウンウンと首を縦に振ってくれました。そして、「“アートが繋ぐ”ってホントその通りだよね!」と言うと、再びブンブンと首を縦に振って、熱い感動を共有できた時でした。今回のアンサンブルはアート(絵画・音楽を含め)が気持ちを繋ぐということ、その力を強く再認識した機会でした。

 非常に残念なことに、その間7階では山本先生と松本さんの二人羽織の演奏があり、聴いていなかったと言うと、みなさんから「それは、もったいない!」と言われました。本当に残念ですが、また次回の楽しいひと時を楽しみにしております。

 一年の始まりにこのようなイベントに参加できて感謝しております。今年もチェロでつながる音と想いを積み重ねる一年にしたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

 東北キャラバンに参加できず、私にできることは何もないのかと思っていた頃に、このアンサンブルのお話をいただき、とても嬉しかったです。昨年春に「雪に包まれる被災地」を目にした時の、厳粛な気持ちを思い出しながら会場に行きました。

 加川さんのお話を聞き、「南三陸の黄金」の輝く美しい大地の色を見ていたら、神戸の震災で亡くなった知人の子どものことや、東北のたくさんの人々のことが頭に浮かび胸がつまりました。思い出すこと、忘れないこと、心を込めて弾くこと、私にできることを今年も探していこうと思います。皆さん、ありがとうございました。

 おかげさまで、楽しく演奏できました。初めてお会いする人ともすぐ打ち解けることが出来ました。チェロって、ほんとに魔法のような楽器ですね!また、指揮者の山本先生の顔の表情の豊かさに惹き付けられました。みんなの精神を束ねては全身を揺り動かす指揮に惚れました。いい音楽といい仲間、今年はいいスタートが切れました。また、みなさまとお逢いしたいです。

1月5日夕刊読売新聞大阪本社版

二つの被災地を結ぶ感動の輪!

「コンサート、心つなぐ」のタイトルで、客席も含めたコンサートの様子が伝わってきます。西宮市から訪問された陶芸家の女性のコメントも素晴らしいものです。




1月6日夕刊朝日新聞

絵と音のコラボレーションに大きな感動が!

「被災地の情景 克明に」のタイトルで、神戸で絵画展が開かれていることを紹介しています。チェロアンサンブルの様子は写真のみでの紹介でしたが、雰囲気はよく伝わります。